転職をする際はいくら貯金すれば安全?おすすめの金額と注意点
「今の仕事が辛い」、「他にやりたい仕事がある」などの理由から転職を考えている人も多いと思います。しかし転職するということは一時的にせよ収入が途絶えるということですから、不安を感じてしまうこともあるでしょう。
そこでこのコラムでは、転職にかかる費用や、実際にいくら持っているべきか、などを具体的にお答えします。転職を検討している方、近いうちに考えようと思っている方必見です。
転職活動にかかる主な出費
退職してから転職活動をする際に考えておくべき出費を具体的に上げます。
生活費
実家に住んでいる人、一人で暮らしている人、家族を扶養している人など、それぞれの状況で異なりますが、家賃や光熱費、食費、通信費などは必要です。まずは今の暮らしをあまり落とさないで済む金額を認識しておきましょう。
就職活動費
最低でも面接を受けに行くための交通費には余力を持っておきましょう。場合によっては採用までに2度訪問しなければならないこともあり得ますし、活動が難航すれば何社も受けることになる可能性があります。スーツや靴などが活動に支障ないかを事前に確認しておく必要もあります。
学習費
異業種への転職やステージアップを望むのであれば、転職の前に新しいスキルを身につけておく必要があるかもしれません。あらかじめどんなスキルが必要で、その修得にいくらくらいかかるのか、などは知っておきたいものです。
転職活動が問題なく行える貯金額の平均は?
これも生活環境で大きく異なりますし、転職状況にも左右されます。世の中で必要とされているスキルを持っていてそれを活かす転職であれば、転職活動期間はそれほど長いものではないでしょうが、全く異業種に行く場合、方向性をあまり決めていない、といったケースでは長期戦になる可能性を考えなければなりません。具体的期間としてはある程度を自信がある人でも、最低でも3~4カ月はかかることを見込みましょう。
希望する企業に連絡を取って面接や採用試験を受けるまでに1~2週間かかることは珍しくありませんし、それから合否を貰うまでにもやはり1~2週間は見込んだ方が無難です。採用が決まったとしても、相手企業の締め日などの都合で1カ月先からの出社、となればこの時点ですでに2か月経過しており、働き始めて最初の給料を手にするのは活動開始から3か月後、となります。これらはスムーズに行った場合の話ですから、転職に時間がかかる要素があるようなら半年か一年を見込むべきでしょう。
具体的金額としては、独身者で転職のために用意した金額の平均値は49万円というデータがあります。
これはあくまでも平均ですから、自分自身の生活状況をきちんと確認して持っておくべき金額をチェックしましょう。
ちなみに総務省が発表している家族人数ごとの1カ月の生活費を上げておきますので参考にしてください。
・2人暮らし:25.8万円
・3人暮らし:29.7万円
・4人暮らし:33.6万円
これに見込み月数を掛ければ目安になると思います。とはいえ、あくまでも目安ですから、自分自身の生活費をシビアに把握すること、転職にかかりそうな期間を、冷静に余裕を持って見ることをおすすめします。
転職活動が長くなるのであれば、失業保険も積極的に利用しましょう。ただし自己都合での退職の場合は、支給されるまでに期間がかかることを注意しておきましょう。退職してから離職票をハローワークに提出後待機期間7日と受給制限期間3カ月が経過してからの支給となります。
失業保険が給付される日数も書いておきますので参考にしてください。
・雇用保険に加入していた期間が1年以上10年未満の人:90日分
・雇用保険に加入していた期間が10年以上20年未満の人:120日分
・雇用保険に加入していた期間が20年以上の人:150日分
支払い額は、60歳未満の人で退職前6カ月の賃金日額が4,580円~11,610円の人の場合50~80%と設定されています。分かりにくいので参考値を記載します。
・30歳未満で勤続5年、月20万円給与の人が自己都合退職した場合:総額約42.6万円が支給される
・30歳未満で勤続5年、月30万円給与の人が自己都合退職した場合:総額約51.1万円が支給される
上記を見てわかるように、月収が10万円違っていても総支給額はそれほど変わりませんから、方向的に最低限の暮らしを補助するという考え方に基づいていると言えます。具体的には自分自身が支給されるのか、支給される場合いくらなのか、ということを知っておいた方が精神的に安心できるでしょう。概略で考えるのであれば給料月額の半分程度が3か月分支給される、と目安に考えたらよいでしょう。
また、これは完全に失業状態である人に対して支払われるもので、パートやアルバイトをしていても給付対象にはなりませんから、その点も注意しましょう。
十分な貯金が転職活動にもたらすメリット
精神的に余裕をもって転職活動ができる
転職に不安はつきものですが、その活動期間中の資金面での不安も大きな要素です。それなりに貯金がある、とわかっていても収入が無ければそれは減り続けるわけですから、やはり多く持っているに越したことはありません。
入るべき会社かどうか見極めてから決められる
「今月中に決めなければ生活費が底をつく」と思っていると当然条件の良し悪しや本当にやりたい仕事なのか、といった検討をする以前に「何でもいいので働かなければならない」という状況に陥ってしまいます。せっかく勇気を出して転職をしたのに、前職より悪い環境に行ってしまうのは何としても避けたいところです。
家族にも安心を与えられる
自分自身が扶養している家族がいれば当然ですが、扶養義務が無い親や兄弟もあなたが資金的に余裕の無い状態にあると知れば不安を感じてしまうでしょう。
転職活動に向けて貯金を行うためのライフハック4選
安心して転職活動を行うために、具体的に資金を貯める方法を記載します。
積立投信
余剰資金が少ないのであればリスキーな投資は好ましくありませんから、無理が無い積立投信を行うのは良いかもしれません。ただし短期間に大きく増えるという種類ではなく、信託報酬で得られるのは年間で2%程度です(商品によって差があります)。これを踏まえると早い段階から計画的な運用を行うのが重要と言えます。
コツコツ貯金
基本的にノーリスクですが、金利は年0.1%以下の銀行がほとんどなので全く増えません。
手堅くアルバイト
手持ち資金を減らさず少しでも増やす、という意味ではアルバイトを取り入れるのは精神的にもプラスかもしれません。ただし前述したように収入があれば失業保険は給付されませんので気をつけましょう。
また、転職に集中するにはあまりハードなアルバイトは入れない方が良いかもしれません。アルバイトで疲れてしまい、転職活動がおろそかになっては意味がありません。
生活費を見直す
不安を抱えながら転職活動をするのもストレスを伴いますから、この際余計な出費を控えるために家計を見直してみましょう。あまり倹約しすぎるのもストレスになりますが、数か月と思えば抑えられるというものもあるはずです。
具体的な倹約方法も考えた方が良いですが何より重要なのは、「新しい環境に向かって踏み出すための努力」ととらえることです。収入も途絶え、飲食を抑える、という自分を考えると寂しいですが、新しい自分になるための助走期間であることを忘れなければポジティブな倹約ができるでしょう。
まとめ
転職を考える際に用意しておくべき費用についてご理解いただけたことと思います。せっかく転職にトライするのですから、待遇アップややりたい仕事に就くことを優先するためにも、資金には余裕を持っておきたいものです。
また、ここまでの記述は完全に退職してから転職活動を行った人に着目していますが、在職中に活動をしていればこの収入のタイムラグは減らすことができます。退職するとしても、「もう限界!」という状態まで追い込まれて突発的に行うよりも、心に余裕があるうちに、転職活動を行いながら退職に向けて踏み出す、というのがスマートな方法でしょう。
株式会社ニコイチ代表
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