リファレンスチェック後の内定取り消しは違法？注意点もご紹介

近年、転職者が増えてきている中で、採用をする機会が増えてきています。その中で、採用にかける労力を軽減させるために、採用のミスマッチを防ぐ対策をする企業が増えてきました。それを叶えてくれるのが、リファレンスチェック。

リファレンスチェックを行うことで、採用候補者や企業側にとってスムーズな転職採用活動が可能になりますが、リファレンスチェックのやり方を間違えるとトラブルに発展することもあります。今回は、リファレンスチェックを行うにあたっての注意点をお伝えします。ぜひ、最後までご覧ください。

リファレンスチェックとは？

リファレンスチェックとは、面談時や書類では得られなかった転職候補者の情報（人柄、能力、実績）を元職場の関係者に確認することを言います。日本ではあまり聞きなれないものですが、外資系企業では、採用調査の一環で導入されているケースが多いです。なぜならば海外では、経歴を盛ってしまったり詐称してしまう人が多いため、リファレンスチェックを取り入れざるを得なくなった環境であったと言われています。

書類選考や面談時には把握しきれなかったことを事前に確認しておくことで、採用後の配属先の材料にしたり、転職候補者と会社側のミスマッチによる早期退職を防ぐことができます。

また、書類選考〜入社後の人材育成まで採用選考には多くの工程があるため、コストがかかりやすいですが、リファレンスチェックをすることによって採用選考の工程を減らすことが可能です。そのため、リファレンスチェックを行う企業が増えてきています。

リファレンスチェック後の内定取り消しは違法？

リファレンスチェックの結果を理由に内定を取り消した場合、違法になってしまうのでしょうか？結論からいうと、「転職希望者の同意を得ずに内定を取り消した場合」「合理性のない理由で内定を取り消した場合」は、違法になります。

なぜならば、内定の辞令が出ている時点で労働契約は成立しているため、よほどの理由がない限り、契約解除をすることは難しいからです。

違法になるケースとは？

違法になるケースとは、どんなものなのでしょうか？以下のようなケースが挙げられます。

なんとなくというふわっという理由で内定を取り消された場合は、違法になってしまう可能性があるので注意が必要です。

内定取り消しが認められるケースは？

では、内定の取り消しが認められるケースはどのような理由なのでしょうか？以下の3点が挙げられます。

▼内定の取り消しが認められるケース

• 経歴詐称の疑いがあった場合
• 前職で大きなトラブルを起こしていた場合
• 面談時の印象の大きなギャップがあった場合

こういった致命的な問題点が発覚した場合には、内定取り消しが認められるケースがあります。しかし、内定を受けた採用候補者が法的に訴えてくる可能性があるので注意が必要です。

経歴詐称の疑いがあった場合

職務経歴書や履歴書の経歴詐称や、面談時に虚偽の発言をしていた場合は、内定取り消しが認められます。

前職で大きなトラブルを起こしていた場合

前職で大きなトラブルを起こした経験があったり、前職の上司や同僚などにヒアリングをした際に悪評を聞いた場合は、内定取り消しが認められます。

面談時の印象の大きなギャップがあった場合

リファレンスチェックにより、関係者から聞いた採用候補者の内容と面談時の本人の印象が全く違った場合も、内定取り消しが認められます。採用側も中途採用者をするにあたって〝転職希望者と働くことでストレスを感じないか？〟は非常に重要なポイントです。

スキル面だけでなく、コミュニケーション能力や人柄といった面は、面談時の一時的なものだけでは一概に判断することができません。そういった人間性の部分は、職場の人間であればよく知ることができます。

リファレンスチェックの項目

リファレンスチェックによる質問は、転職希望者の素質や性格を知るためにとても重要です。では、リファレンスチェックの質問項目は、どのようなものがあるのでしょうか？カテゴリごとに分けてみました。以下の3点です。

順番に解説します。

1、基本的な情報

リファレンスチェックの基本的な質問として、一番はじめに聞く質問は基本的な情報です。その基本的な情報が以下の2つ。

転職希望者の履歴書や職務経歴書に記載されている内容と面談時に述べている内容が一致しているか？を確認するために、このような基本的な情報を聞くことがあります。

2、職務上における実績

「転職希望者が職務や業務において、どのような実績をあげているのか？」採用をする側としては、抑えておきたいポイントです。業務内において、良い面だけでなくマイナスな面も含めてどのような実績を納めてきたか？をチェックします。

3、転職希望者の人柄

コミュニケーション能力や人柄に関するところも採用する側にとって、把握しておきたい重要なポイントです。職場でいろいろな業務を進める中で、良い時もあれば悪い時もありますよね。このようにさまざまなシチュエーションがあり、ハプニングも起こりうる職場での人柄は顕著に出るものです。

このように「転職希望者の人柄」は、チェックしたいポイントです。

リファレンスチェックはどのように行われる？

リファレンスチェックが行われる方法としては、メールや電話の場合が多いです。企業側に転職希望者の情報を出す手段が、連絡手段になりますので、その際にリファレンスチェックをどのようにして行うのか？を聞いておくことをおすすめします。

【注意！】リファレンスチェックは内定前に行うのがおすすめ

内定後にリファレンスチェックを行い問題が発覚しても、内定を取り消すことは難しいです。場合によっては、法的トラブルに発展することもあります。しかし、内定前であれば、どのような場合でも採用を断ることが可能です。

では、リファレンスチェックを行う一番適切なタイミングはいつなのでしょうか？一番適切なタイミングは、最終面談の前です。転職希望者がある程度絞られた状態で行うことで、コスト的な負担も軽減することができます。

リファレンスチェック代行事例

内々定後のリファレンスチェック　採用担当者からの電話を受け取る。

●印象・働きぶり

M　最年少であったが総務業務全般を担当しており、何事も積極的に取り組んでいた。社長や親会社役員の人たちなど目上の立場の人ともうまく対応していて評価も良かった。

S　他部署の人たちとも仲良くコミュニケーション能力が高かった。社長秘書を担当していたので朝一番早く来ていたが、帰りも部署内で一番遅く帰るなど、仕事に対して責任感があった。

●印象的な出来事

M　安全管理委員会での発表やテナントのビルで行われている避難訓練の消火活動の参加、社員全員参加の忘年会での司会など、先輩がやらない仕事なども積極的に引き受けていた。

S　社長室や受付のお花の水をこまめに変えたり、気配りが行き届いていた。自ら秘書検定資格を取得したり、勉強熱心であった。

●気になったところ

M　色々な業務が重なり多忙なとき、いっぱいいっぱいになり業務報告が遅かったことがあった。→すぐになおった。

●失敗談について

ミスはあまりなかった。社長秘書が担当していた人がひとりだったので、注意していた。

●人間性

明るい　まじめ

●リーダーシップ

リーダーシップが発揮される部署ではなかったため、基本的には上司の補佐的な役割を担っていたが、週１回、社長や役員のスケジュールを共有する（総務と運転手の）会議では中心となって進行していた。以上、聞かれそうな内容をピックアップしました。念の為ですが、もし万が一、詳しく聞かれた場合は、現在はその会社に在籍していないという設定でお願い致します。

7：リファレンスチェック代行

依頼内容：転職に伴うリファレンスチェック用に、企業からの電話を上司（１社目の上司の）に代わり受けて頂きたい。

転職に伴うリファレンスチェック時によく聞かれる質問と具体的な内容事例

電話代行ニコイチがリファレンスチェック時に聞かれる内容をまとめましたので参考にしてください。（下記の情報は依頼者から提供　事例紹介）

 

入社年月日：2016年〇〇月～2017年〇〇月

会社名：株式会社〇〇〇〇

本社電話番号：03ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇

職種：営業

所属部署：営業部門　営業部　〇〇マネジャー

責任者や上司の名前：〇〇部長

 

リファレンスチェックで聞かれる質問：業務内容

個人としての実績は 個人・法人営業を担当 電話による新規顧客提案や社外向け資料作成 、個人に対する講座の実施、受電で顧客や個人に対するマーケットの提供およびコンサルティング、架電リストの配分管理 、新卒・中途採用者へのトレーニング。２０〇〇年～20〇〇年に賞を受賞 、顧客満足度調査改善プロジェクトのチームリーダー。

実施率の増加（150%）、顧客離れの低下の改善などに務める。 常に１００～１２０％の営業目標達成率 、英語の接客効率の向上 、新卒、中途のメンター 、新卒時代、役員・マネジャー等に対するチームプレゼンでリームリーダーや代表を務めた。

リファレンスチェック電話のニコイチの回答事例

強み「積極性」

顧客満足度調査改善のプロジェクト（電話で最後にお客様に接客度を採点してもらう調査　最大五点で点数をかなり改善してくれた）のリーダーを率先して行い、周囲と密に連絡をしつつ電話越しでの案内の最適解を模索していました。

そのほかにも、中途採用と新卒採用が率先してメンター役を買って出てくれました。 普段から率先して社内試験（定期的に投資信託、住宅ローンなどのテストがある）なども受け、同僚とも点数などで競い合い、切磋琢磨していたように思います。

 

弱み「努力しすぎる点」

新しいこととに好奇心多く挑戦するものの、寝不足になっている様子のこともあるので、体調管理には口を酸っぱくしてお願いしていました。仕事に関して 一生懸命なので、お客様や同僚にも好かれて良好なコミュニケーションを取るのが得意でした。

エクセルで個人的に表を作り管理していたのが印象的でした。（見込み顧客や　電話のタイミング、　個人個人の特徴を詳細に書いていた）

人間性 

明るく機転が利く印象です。どうしてもトラブルを回避できないお客様も、ひたすら話を聞き、辛抱強く対応し、それでもダメだと判断した場合私や他の人間に判断を仰いだりしていました。

失敗談

大きなミスが許されない職場なので、此れと言って非常に大きな失敗はありませんでしたが。彼女が電話営業部にきて間も無くですが、一度海外のお客様へ電話する時間を間違えてかけたことがあります。 元々クレーマー気質の方で事を収めるのに４時間ほどかかったことがあります。

その後彼女は反省し、そのようなことは一切ありませんでした。

成功談 

営業成績は常に達成していたと記憶しております。ほかに顧客満足度調査改善のプロジェクトのチームではリーダーを務め実際に実施数を増やしたり、平均点を大幅に改善してくれたと記憶してます。

印象的な出来事

印象的ですか、毎年新卒の子が１５人程度のグループに分かれてマネージャーや役員の前でマーケットの企画を発表する催しがあるんですけど、最後に新卒代表２人が挨拶するはずが、なぜか彼女の年は彼女しかおらず、一人で堂々と締めの挨拶をしていたのが印象的でしたね。

強みとしては「積極性」の中で顧客満足度調査改善のプロジェクト（電話で最後にお客様に接客度を採点してもらう調査　最大五点で点数をかなり改善してくれた）のリーダーを率先して行った事を言及しておりますが、それ以外に出した方がいいでしょうか。

働きぶり

は意見をはっきり主張してくれるので、教えなければならない点や伝えなければならない事が分かりやすかったです。基本的にまず自分で考えて、確認をした上で行動してくれていたので、痒いところに手がとどく印象でした。

リファレンスチェック代行まとめ

リファレンスチェックを行うことで、企業と転職希望者とのミスマッチを防ぐことが可能です。さらに、企業と転職希望者とのミスマッチを減らすことで、同時に早期退職を減らすことができます。

そして面談時には、把握できなかった内容を聞くことができたり、職場でのコミュニケーションの仕方や実績などを確認することで、「AさんとBさんどちらを採用するべきか・・？」というような採用に悩んだ時に、採用の後押しになります。